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2004年
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さすがの暑さも、同じ温度でもどこか秋の気配を感じます。
3ヶ月に一度通う都心のビルの植え込みに、唐胡麻があります。
その茎は、中空なのに堅そうでそれは見事に曲がりくねり、
とげとげとした実をつけ、堂々と枝葉をのばしています。
きっと、ほとんど誰にも気づかれずに、ここにいるんだと思いしばらく見とれていました。
唐胡麻(ヒマ)は秋の花材で、よく赤い手のひらのような大きい葉と、
赤い茎と実をいけばなでつかいます。
先日は十五夜でしたが、薄・尾花もよくいけます。
をりとりてはらりとおもきすゝきかな 飯田蛇笏
薄の穂はまさにさまざま、はらりとなびく穂、花火のようにぱっと拡がる穂、
つんと立ち姿の穂、・・・。そして、色も質感もさまざまです。
花会のご案内がいくつもまいこみ、どんな花たちと出会えるか楽しみです。
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2004年
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初秋の山を花を訪ねてまわりました。
やく30分、ゴンドラとロープウェイを乗り継ぎおとずれた
栂池自然園では、サラシナショウマの白い花に出迎えられ、
木道沿いにゆっくりと歩をすすめ、たくさんの高山植物と
出会うことができました。
イワショウブとウメバチソウが可憐な花を咲かせて風に揺れ
オヤマリンドウ、トリカブトの紫の花も目につきました。
ほかは実をつけていつものイメージを異にし、もうすぐ山は
駈足で秋色を深くして、長い冬にはいる気配を感じました。
キヌガサソウ、大きな立派な実
バイケイソウ、ざわざわと音がするような群生
サンカヨウ、瑠璃色のそれはそれはきれいなまるい実は
何十個もちりばめた宝石のよう
すれ違った人におもわず「ダケカンバの奥をごらんになって」
と声をかけてしまいました。
ワレモコウ、フシグロセンノウ、マツムシソウ、ヤナギラン・・・と
おなじみの花に出会えても、なごりのニッコウキスゲは一本も
目にできず、暑かった夏の季候をふり返りました。
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2004年
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盛夏にお客様をお呼びしたとき、少しでも
涼しげにと、ひとときの花ともいえる睡蓮、
蓮などをさらっと生けて数時間楽しむなど、
何よりの贅沢なことです。
花をより長く、美しい状態で愉しむために
いろいろな方法で水揚げ、花養いをしますが、
カラジュームが3週間も元気にしていてくれ
水揚げ成功!とウキウキすごしました。
人間も上手に水分補給をしないといけないので
しょう。
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2004年
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今年は、例年になく6月の台風の到来が多かった
ようです。
明日から夏休みという7月のはじめ、毎年大和へ
向かう列車に乗り込んでいました。
いつも日本列島の何処かで梅雨明け前の集中豪雨
のニュースを耳にし、また、乗車していた列車がその
影響で動けなくなったこともありました。
そんな思い出を重ねるように、暮れなずむ日本海
沿いを目的地に向かって移動しました。久し振りに
砂浜に打ち寄せる波頭を眺め、はまなすはどんな
様子かと目を凝らしたのですがかすかな明かりの中
では、点在する大待宵草の黄色い花ばかり・・・、
月見草と呼ぶのは誤りだとか。
強風に翻る葉裏の白さに、この場所にこんなにも
葛が繁茂していたのかと教えられたりして、
自然のなかに身をおく幸せを感謝・・。
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2004年
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下り山形新幹線で福島を過ぎると
鉄路の両側に、きゅうに鬱蒼とした緑が迫り
しばらくの間、目を楽しませてくれます。
大好きな列車からの景色です。
木々の梢の緑はまだやわらく、緑のグラデーションが
どこまでも続き、そのなかにオレンジ色が点在しました。
萱草の花です!
すでに、いけばなのレッスンで生けましたが、
東北は半月から一ヶ月花の咲き出すのが遅いのを
実感しました。紫陽花もやっと花の蕾が見え出しました。
山百合、笹百合をいけましたが山形ではまだでしょうか?
来月もこの鉄路をたずねます。
車窓にどんな花と出会えるか今から楽しみです。
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2004年
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有楽町に山手線がさしかかったとき
皇居がわの窓辺に 紅花栃の木の
ほのかに赤みがかった花が、何本も
目の前を通り過ぎました
よく知られた栃の木は、白い花ですが
紅花のほうが、花も木も小ぶりで
愛らしく感じます
細川家の秘宝を展示している永青文庫の
一本はとくに印象に残るものです
二階の部屋で、ゆったりと抹茶をいただく時
ちょうどこの花が窓の外にみえました
思い出に、咲いていた花が季節を添えてくれます
小田原でツバメを見かけました
そして額紫陽花・紫陽花がどこでも
咲き始めました
梅雨入りが近いのでしょう
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